春は精神的に不安定になります

立春を過ぎて徐々にですが春へ移行してきています。

今月は春分になりますので、身体の中の陰陽バランスは、春分までは陰が優位になっているものの徐々に陽が強くなってきています。

この時期は漢方では他の季節の移り変わりよりも精神面で注意が必要と考えています。

新陳代謝も活発になり、体内の陽気も動き始めます。

徐々に活動的な心身になってきていると言う訳です。

ただ初春のころは身体がこの変化ついていけずに、頭がボーッとしたり、だるさを感じたりすることもあります。

暖かくなっているのに風は冷たいので、風による影響も最も強くなります。

さらに春と言えば春一番で代表されるように突風が吹くことがあります。

服装も防寒着ではなく、割と薄手のものを着たりして外出することも多くなり、余計に冷たい風にさらされ冷えてしまうことになりますよ。

気温差も日中と朝晩の差が大きいのが特徴的です。

このような時期は気血の巡りで考えると、最も滞りやすい季節となります。

これも陰と陽のバランスが変化してきていることに関係しています。

秋も陰と陽のバランスが変化してきますが、秋は動⇒静への変化なのに対して春は静⇒動になります。

静から動へと変化するには巡りも活発にならないといけませんが、どうしても身体全体ではバラツキがあるので、あるところではスムーズに流れていてもあることろでは流れが悪くなっていることがあります。

このようなアンバランスが精神的に不安定な状態を作り出してしまうのですね。

また、日本では春は卒業、進級、就職、転勤など生活環境が大きく変わる季節でもあります。

精神的な不安に一番関係している対人関係が変化してしまうので余計に不安感が増長されて、早く環境に慣れなければという精神的なストレスによって大きく自律神経に疲労を与えてしまいます。

漢方では身体中に気血を巡らすのは肝が担っていると考えています。

しかし肝はストレスによって機能を阻害されやすい臓になり、身体の隅々にまで必要なだけ気血を送り込むことができなくなってしまいます。

症状では、何となく不安感に悩まされ、体調もすぐれなくなるなるので、いったい身体のどこに問題が発生しているかが分からず、悩んでしまう方が多いのですね。

出来るだけ早く滞っている場所を解消させることが春の健康には必要になります。