経絡を使い施術をすると身体全体が改善

 

経絡と気・血・津液の巡り

    経絡の不思議


  • 漢方医学では人間の身体には、頭から足の先まで流れている、幾つかのルートがあるとされています。
  • このルートを経絡と呼んでいます。
  • 経絡は血管や神経のように目に見えるというものではありませんが、全身を網の目のように巡っているネットワークで、気・血・津液(水)という生命エネルギーが循環するルートとされており、該当する臓腑と密接な関係があります。
  • (西洋医学の臓腑とは考え方が異なっています)
  • 経絡に異常があると、関連している場所に色々不快な症状が出てきます。
  • 気・血・津液(シンエキと読みます)とは、生命を維持するための3つの要素とされており、
  • 気の作用は、
  • 人体の成長・発育、臓腑の生理活動、血や津液の循行をスムーズにする、推動作用。
  • 人体の体温を正常に維持し、血や津液の運行を助ける、温煦・気化作用。
  • 肌表を保護し、外邪の侵入を防ぎ、侵入した外邪を外に追い出す、防衛作用。
  • 体液や血液が不要に流出するのを防ぐ、固摂作用。
  • 気・血・津液を作り出し、消化吸収や合成、物質転化を行う、化生作用。
  • があります。
  • 血は血液のことだけではなく、全身に栄養分を行き渡らせる作用に加え、精神活動を支える物質でもあります。
  • 津液は血以外の体液すべてをさしており、リンパ液・胃液などから涙・汗までをも含み、体内各所を潤す作用があります。
  • この生命エネルギーが経絡を使い、全身に滞りなく流れることで、人は健康を維持できると考えられているのです。
  • 「病は気から」と言う諺がありますが、この意味は「病は気の持ちようで重くも軽くもなる」と説明されています。
  • でも、元々は「身体をくまなく流れている気が滞ると、病になる。病の原因は気の滞りにある」と言うのが本来の意味となります。
  • 漢方整体の施術では通常、正経12の経絡と督脈・任脈と呼ばれる奇経2の経絡を使用します。
  • 下に正経12経絡と奇経2の図を載せています。
  • 経絡が身体に及ぼす関係は、全身の細部に渡り、内臓や皮膚など内面・外面を問わず大きな影響があります。
  • 経絡に異常が起こると、生命エネルギーの循環が妨げられる為に身体の自然治癒力・自己免疫力が低下してさまざまな症状が出てきます。
  • 腰痛・肩こりは言うに及ばず、血行不良・全身疲労・倦怠感、内蔵の不調、うつ症、不安症、不眠症、肌の色艶など美容的な事に至るまで・・・実に数多くの問題を発症させます。
  • ちょうど、現代医学で自律神経のバランスが悪くなると、さまざまな疾病が出てくるのに似ていますね。
  • ある意味では、経絡を調整すると言うことは、自律神経を正常に働かせることにつながると私は考えています。
  • また、気・血・津液が循環するルートという考えは、現代医学の血管やリンパ管などと似ているところもあります。
  • 経絡は血管・リンパ管・神経系をも含んだものの考え方としたほうが妥当かも知れませんね。
  • 整体施術は手技により経絡を整え、再び生命エネルギーを滞りなく循環させることで、人間の本来持っている自己治癒力・自己免疫力を正常にし、不快な症状を取り去るわけです。
  • 漢方整体院の施術は、現在の身体の状態を知り、骨格や筋肉の歪みを確認したうえで、経絡を使用して施術を行っていくことになります。
  • 経絡を使用した施術は、痛みなどの不快な症状が出たときだけでなく、時々全身を整えることを心がけると、美容や健康維持にとって未然にトラブルを防ぐ意味からも、大変有効なものになることはいうまでもありません。
  • 漢方医学の経絡はとかくなじみが無く、西洋医学には存在しないものなのでとても理解しにくいものとされていますが、古代より人々が患部を手で押さえたり温めたり冷やしたりして刺激を加え、その刺激が伝わり痛みが和らぐことから出発し、刺激を加える場所によって効果が異なるなどの経験を積み重ね、人から人へ伝えられたものが集大成されたと考えられています。
  • なかなか科学的に分析・証明がなされておらず、非科学的だと思われている方も多いと思いますが、施術を受けられた方の多くが、ご自身で効果を実感する事が出来ます。
  • 経絡は骨格や筋肉の調整を行う上でもとても重要な考え方であり、これを無視して施術を行っても期待通りの結果は得られないと言えるでしょう。
  • ところで、漢方=中国と考えられがちですが、漢方は中国の漢の時代に日本に伝えられた医術が、日本国内で日本古来の医術と融合し発展進化した物で日本独自の伝統医学のことです。